救命救急センター
救命救急センター長からのご挨拶
2021年10月1日から高知医療センター救命救急センター長を拝命させていただきました、齋坂です。私は岩手県出身で山形大学を卒業し、京都第二赤十字病院で外科の後期研修まで行ったのちに当時の高知県立中央病院に採用され高知で働き始めましたが、気がつけばすでに16年もの歳月が過ぎました。このあいだ、(故)志摩泰生先生をはじめとした消化器外科の先生方にご指導いただいたことを基盤としながら、救命救急センターでの臨床経験を積ませていただき現在に至っております。
高知県と高知市の病院機能を併せ持つ当院では、県内の広域医療に対応すべく高知県消防防災航空隊との連携を緊密に保ち「消防防災ヘリのドクターヘリ的運用」として、また高知県警ヘリとも連携し活動を行ってきました。現在ではドクターヘリ事業が主にそれに代わっておりますが、消防防災ヘリの救助活動と連携を保ちつつ、FMRC(エフマーク)のドクターカー活動とともに引き続き病院前活動にも積極的に取り組んでいく所存です。
この10月からは、術後管理と院内発生重症者を管理する「院内ICU」と「救命救急センターICU」の部署が再編成され、「ICU」として救命救急科と集中治療科の一体運用が開始となりました。先代から形作られてきた救急医療との向き合い方を引き継ぎながら、時代の流れを汲み取り、改善すべきところは話し合って意見をとりいれ、高知市内の他救命救急センターとともに協力し合いながら高知の救急医療に貢献できればと考えております。
当院は幅広い診療科で救急搬送に対応できるのもメリットです。時間外でも循環器内科、脳神経外科、周産期センターとしての産婦人科、麻酔科の24時間常駐はもちろんのこと、NICUには小児科 、on call対応として歯科口腔外科、耳鼻咽喉科、小児外科もあり、他院で対応できないような症例も集まってきます。また当院は県内の重症COVID−19患者の集中治療も責務としてありますが、バランスも大事です。三次医療だけではなく、一次二次の救急疾患に潜在する重症患者を見逃さない対応をとりたいと考えています。
救命救急科はこの10月から5名体制となっています。これに加えてドクターヘリ搭乗も含めた、当直等の面で他科からのご協力をいただきながら新しい体制を構築しています。チーム制を維持しながら日々の業務を担当割り当てし、ドクターヘリ、ドクターカー(FMRC)、救急外来ホットライン、ICU担当をこなしています。家庭を大切にするママさん救急医、パパさん救急医もオンオフを切り替えつつ働ける職場環境を引き続き保っていくようにしています。初期研修医には医師として救急疾患の初期対応を、また社会人としての基礎をおさえていただき、後期研修医には救急プログラムを選択してもらえれば、最終的にどんな科を選択することになったとしても急性期疾患に対応できる力を備えられる医師になれる研修ができるよう、我々は取り組んでいます。
高知医療センターの初代救命救急センター長である(故)福田充宏先生はよく我々に仰っていました。「何事も継続するのは難しい」と。みんなにとって居心地の良い体制を継続していきたいと思いますので、今後もご協力の程、宜しくお願い致します。
救命救急センター長 齋坂 雄一