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生理検査科

生理検査室では、患者さんの身体を直接検査して、心機能や肺機能など様々な身体の機能を調べています。臨床検査の中で、最も患者さんと出会う機会の多い検査室です。検査項目は多岐にわたり、それぞれ検査をする部屋が分かれているため、あちらこちらに突然現れて検査をしているように見えるかもしれません。平静を装っていますが、裏では結構走っています。
また、当検査室では患者さんをお待たせしないように、「受付したら、すぐ検査!!」を心掛けていますが、救急外来や病棟への出張検査も同時に行っていますので、検査が重複した時には少々お待ちいただくことがあります。どうぞご了承ください。

生理検査には、大きく分けて以下のような検査があります。

  1. 心電図検査
  2. 呼吸機能検査
  3. 神経機能検査
  4. 脈波検査
  5. 聴力検査
  6. 平衡機能検査
  7. 眼科検査

それではまず、心電図検査から順番にご紹介します。

1.心電図検査

心臓は左右の心房と心室の4ブロックからなり、電気刺激が伝わることで各ブロックが連携して動き、全身に血液を送り出しています。心臓の筋肉が動くときには電位が変化し、その電位変化を体表から記録する検査が心電図です。心房が活動したらP波、心室が活動したらQRS波というように、心電図の波形にはそれぞれ意味があり、その形・大きさなどから診断を行います。
検査方法は、ベッドで横になり、両手両足に各1枚ずつ、胸部に6枚の計10枚のシール電極を付けていただくだけ。非侵襲かつ短時間で行えるため、主にスクリーニング検査として用いられますが、虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)・不整脈などの診断には非常に重要な検査です。胸痛を感じたらまず心電図、といった具合です。

心電図には、通常の安静時・短時間(10秒間)記録の他に、以下のような検査もあります。

    1. 運動負荷心電図
    2. 3分間心電図
    3. ホルター心電図
    4. 微小心電図

各検査について、簡単に説明します。

1)運動負荷心電図

普段は何も変わったことがないけど、運動したら胸が痛くなったり脈が飛んだりする。こういった方を対象に行われるのが運動負荷心電図検査です。検査の流れは、安静時の心電図を記録→運動→運動後の心電図を記録、となります。当院で行っている運動負荷心電図には、マスター2階段昇降試験, トレッドミル運動負荷試験, 心肺運動負荷テスト(CPX)の3種類があります。

(1)マスター2階段昇降試験(以下マスター)

2段の階段を上り下りするもので、最も手軽に行える運動負荷です。上り下りする回数は年齢、性別、体重により決められています(若くて体重の軽い男性で回数が最大に)。この検査の目的は、運動により出現する不整脈と狭心症の誘発にあります。

(2)トレッドミル運動負荷試験(以下トレッドミル)

動くベルトの上を歩行しながら心電図を記録する検査です。目的はマスターと同じです。が、負荷を徐々に大きくしていける点と、心電図をつけたまま運動できる点が魅力です。また、血圧も自動で測定します。これにより、運動中の患者さんの様子を、見た目からだけでなく、心電図と血圧からも観察できるため、どこまで運動するかを検査しながら見極めていくことができます。
以上の点を鑑みると、マスターよりトレッドミルが優れているかと思われるかもしれませんが、手軽さという点ではマスターに軍配が上がるため一長一短というところです。検査にあたっては、目的に応じてきちんと考えられていますのでご安心を。

(3)心肺運動負荷テスト(以下CPX)

自転車のペダルを踏んで負荷をかけながら心電図を記録する検査です。さらに呼気中の酸素・二酸化炭素分圧も測定し、呼吸状態もモニターしながら検査を進めていきます。マスターやトレッドミルが不整脈・狭心症の誘発を目的とするのに対し、CPXは大きく目的が異なります。運動した時の呼吸状態から、有酸素運動でできる運動量の限界がわかるのです。心筋梗塞を発症した患者さんなどが、退院後のリハビリに、どの程度の運動をしたらいいのかを知るための検査がCPXなのです。
トレッドミルとCPXは、マスターよりも負荷が大きいため、担当科の医師も立ち会います。

2)3分間心電図

文字通り、3分間記録する心電図のことです。通常の心電図が10秒なのと比べ、長時間の記録ができます。不整脈のある人でも、10秒間の記録では捉えられないことがあります。そんなとき、3分間記録することで不整脈を捉える可能性を高めるわけです。
この検査は通常の心電図にプラスして行われるため、検査時間が3分長くなります。それ以外はデメリットもなく、患者さんにはベッドで横になっていただくだけで簡便に行えるのが特徴です。

3)ホルター心電図

24時間心電図のことです。3分間心電図がさらにパワーアップしたものですが、こちらは使用する機械から検査法まで異なります。
家にいるときは不整脈を感じるけど病院に来たときは感じない。通常の心電図では不整脈をチェックできない。または、いつも不整脈があるけれど頻度や危険性は?こんな場合に威力を発揮するのがホルター心電図です。24時間途切れることなく心電図を記録するので、夜や特定の状況でしか出現しない不整脈も逃しません。また、患者さんの1日の行動をカードに記入してもらうので、どんな場面で不整脈が起こるのかを把握することも可能です。
検査方法は、胸部の5か所に電極を貼り付けて、小型の機械に接続するだけ。機械は腹部に貼り付けた上にゴムで腰に巻くので、24時間携行するのもそれほど苦にならない(はず)です。検査に際して注意しなければならない点は3つ。1つ目は、コードをむやみに引っ張らないことです。接続が悪くなると、きちんとした記録ができなくなります。2つ目は、機械を水に濡らしたり落下させたりしないことです。故障の原因になります。そのため、シャワーやお風呂には入れません。3つ目は、電気カーペット・電気毛布やドライヤーなど、体に直接触れる電化製品はなるべく使わないことです。電化製品の交流電流がノイズとなり、きれいな記録ができなくなるので注意してください。以上の3点に注意していただければ、ホルター心電図の記録はばっちりです。この記録をまずは機械が解析し、さらに技師が手作業でチェックします。したがって、ホルター心電図の結果をお知らせできるのは、取り外してから数日後になります。予めご了承ください。

4)微小心電図

微小心電図とは、レートポテンシャル(遅延電位;以下LP)の有無を調べるための特殊な心電図です。LPはQRS波に続いて出現する小さな電位(波)で、健常者には見られません。心臓突然死の原因として大きなウエイトを占める致死的な不整脈(心室細動、心室頻拍)、これらの発生リスクを予測するのに、LPが有用と考えられているのです。
検査方法は通常の心電図と同じで、患者さんに横になっていただき、電極を取り付けるだけです。ただ、所要時間は30分くらいで、通常の心電図よりだいぶ長くなります。というのも、LPが非常に小さいため1つの波形からでは検出できず、測定した波型を200回以上加算する必要があるからです。患者さんには測定中なるべく動かないようにしてもらわなければならないので、30分というのはなかなか辛いものがあるはずです。ただ、検査中は寝ていても構わないので、仮眠を取るような気持ちで臨んでいただければと思います。

2.呼吸機能検査

呼吸機能検査には、肺機能検査と睡眠時無呼吸検査があります。

1)肺機能検査

肺は呼吸をすることで酸素を体内に取り入れ、不要になった二酸化炭素を体外へ排出しています。肺機能検査は、肺の大きさ(容積)や、気管支が狭くなっていないか、酸素の取り込みが正常に行われているかなどを調べる検査です。主に呼吸器疾患の状態評価や、手術前のスクリーニング検査として実施します。
検査方法は、マウスピースを口にくわえ、指示通りに息を吸ったり吐いたりします。ノーズクリップで鼻をつまむので、口で息をして下さい。この検査は、患者さんの協力が重要です。最大限の努力で呼吸していただきますので、ご協力をお願いします。

主な検査項目には以下のものがあります。


◎肺気量分画
  肺活量とともに、肺の過膨張や縮小の程度を調べます。
◎フローボリューム
  気管支が狭くなっていないかなどを調べます。
◎機能的残気量
  息を吐いたあとに肺の中に残る空気の量や肺全体の大きさを調べます。
◎拡散能
  肺と血液の間のガス交換能力を調べます。
◎クロージングボリューム
  末梢気道の障害や、肺に取り込んだ空気の不均等分布の程度を調べます。

2)睡眠時無呼吸検査

家で装着して測定する簡易型の検査を行っています。睡眠時無呼吸症候群の検査として、呼吸が止まる回数・時間や酸素濃度の低下の程度などを調べます。

3.神経機能検査

神経機能検査には、脳波検査、聴性脳幹反応、誘発筋電図などがあります。

1)脳波検査

脳が活動すると電位が変化します。これを頭皮上から記録したものが脳波です。脳波は心電図に比べてとても小さく、μV(マイクロボルト)単位の電位変化を増幅して記録します。波の大きさ、速さ、連なり方、異常波の有無などを見ていきます。てんかんであるかどうか、意識障害がどの程度か、という診断にはとても有用な検査で、脳死判定では必須です。CTやMRIが脳そのものを輪切りにして器質的変化を見ているのに対し、脳波検査は脳の機能面から疾患にアプローチします。
検査方法は、頭部に20個の電極を貼り付けてベッドに横になり、眼を閉じて安静にしているところを測定します。記録中、異常脳波を誘発するために、以下の賦活法のうち必要なものを行っていきます。検査時間は約1時間です。


◎開閉眼
  10秒間程度眼を開けます。記録中数回行います。
◎閃光刺激
  眼前20cmほどのところから強い光を点滅させます。
◎過呼吸
  出来るだけ大きい深呼吸を、1分間に20~30回、約3分間続けます。
◎睡眠賦活
  睡眠中の脳波を記録します。

子供の脳波検査は睡眠賦活を行います。睡眠の初期に異常波が現れやすく、自然に眠りにつくのが望ましいので、検査当日は早めに起床するなど睡眠時間を短縮し、昼寝をしないように注意してください。また、眠れない場合はお薬を飲んでいただき、眠ってから検査をすることもあります。予約時間に余裕を持ってお越しいただくと良いと思います。

2)聴性脳幹反応(ABR)

耳から入った音は、聴覚路を伝わって脳幹から大脳にまで達します。このうち、内耳の蝸牛から脳幹までの反応をみる検査が聴性脳幹反応(ABR)です。睡眠や薬物の影響を受けないので、聴力検査が出来ない方や、乳幼児の聴力レベル(どの程度の大きさの音が聞こえているか)を測定するために行います。また、脳幹の反応を見ているので、手術中の脳幹機能のモニタリングや、脳死であるかどうかの判定にも用いられています。
検査方法は、頭部と乳様突起(耳の後ろ)に電極を付けてベッドに横になり、体の力を抜いて、カチカチという音(クリック音)をヘッドホンで聞いているときの、脳の電位変化を測定します。もちろん、寝ていても構いません。ただし、脳波に比べて、さらに微小な電位変化を見ているので、1000回の反応を加算する必要があり、検査時間が1時間程度と少し長くなります。

3)誘発筋電図

手や足を動かすときに、その筋肉を収縮させる指令が、運動神経によって脳から末端の筋肉へ伝わります。また、からだの感覚(振動、触圧覚など)は感覚神経によって脳に伝わります。これらの神経の伝導に異常がないかどうかを調べる検査が誘発筋電図です。当院では、運動神経伝導速度、感覚神経伝導速度、F波の測定を行っています。
検査方法は、末梢の神経に電気刺激を与え、収縮した筋や神経の活動電位を記録します。神経の伝わる速さや、反応するまでの時間などから、末梢神経障害の有無や障害部位の判別ができます。主に、糖尿病などの代謝性疾患による末梢神経障害の程度を調べたり、手根管症候群や肘部管症候群など圧迫性・絞扼性疾患の障害部位を推定するために行います。
この検査は、電気で神経を刺激しますので、多少の痛みを伴います。患者さんには、少しでも楽に検査を受けていただけるように努めていますが、苦痛を感じた時はどうぞご遠慮なくお申し付けください。

4)新生児聴覚スクリーニング

赤ちゃんの聞こえの検査です。当院ではAABR(自動聴性脳幹反応)を実施しています。赤ちゃんが寝ている間にかすかな音を聞かせて反応を調べる検査なので、赤ちゃんには負担がかからず簡単に行うことができます。

4.脈波検査

心臓が収縮すると、血液が拍出され大動脈圧に変動が起こります。この圧変動が伝達されることにより生じる、末梢動脈の圧変動や容積変動を測定したものが脈波です。末梢循環障害や動脈硬化の有無、またその程度を調べています。当院では、ABI、CAVIの検査を行っています。検査時間は約10分です。

1)ABI

足関節上腕血圧比です。名前の通り、両腕両足の血圧を測定し血圧比を求めます。動脈の詰まりの程度を表し、閉塞性動脈硬化症における下肢動脈狭窄や閉塞の程度を表す指標です。

2)CAVI

心臓足首血管指数です。両腕両足の血圧と同時に心電図・心音図を測定します。動脈の硬さの程度を表し、大動脈を含んだ動脈硬化の指標です。また、血管年齢の判定も同時に行います。

5.聴力検査

耳の聴こえの検査です。難聴がある場合は、その原因がどの部位にあるのか、どの程度の障害であるか等の評価ができます。様々な検査法がありますが、日常よく行なっている検査は、純音聴力検査、ティンパノメトリー、音響性耳小骨筋反射検査です。検査時間は項目により異なりますが、約10~20分程度です。

1)純音聴力検査

健康診断などで簡易検査を受けたことがある方も多いのではないでしょうか。健康診断は、一定の音が聴こえるかどうかを検査しますが、この検査では125~8000Hzのなかから指定した周波数の純音を使用し、どの高さの音が、どれぐらいの大きさで聴き取れるかを調べます。ヘッドホンを耳に装着して音を聴く気導聴力検査と、骨導端子で頭蓋骨を振動させて行う骨導聴力検査があり、この結果で外耳・中耳に原因がある伝音難聴か、内耳以降に原因がある感音難聴かを区別することができます。

2)ティンパノメトリー

耳栓をして外耳道内の圧力を変化させたときの、鼓膜の動きやすさを調べます。鼓膜の動きが悪いと音が伝わりにくくなります。とくに中耳炎などで、鼓膜が動きにくく特徴的な検査結果になります。

3)音響性耳小骨筋反射

耳から大きな音が入ってくると、それを直接内耳に伝えないように耳小骨筋が収縮します。この反射反応を利用した検査です。顔面神経麻痺や脳幹障害などがあると反射が欠如します。
これらの他にも、言葉がどれだけ聞き取れるかを調べる語音聴力検査、耳鳴の大きさや音の高さを調べる耳鳴検査などを行なっています。

6.平衡機能検査

目が回るとか、ふらふらする、といっためまいや平衡障害の原因を、様々な検査法を組み合わせて精査します。検査方法は、指示した方向をあちらこちらと見ていただき、その時の眼球の動きをカメラ付ゴーグルで測定します。検査の種類が多く、待ち時間も含めた検査時間は約2時間と長くなりますが、検査後にはもれなく耳鼻科医師による耳掃除のサービスが付いていますので、ご協力よろしくお願いします。主な検査法には以下のものがあります。

1)重心動揺検査

直立姿勢をとったときの体の揺らぎを検査します。脳幹四肢の平衡状態の検査です。

2)自発眼振・注視眼振

ある一定の方向を向いたときに現れる眼振を検査します。眼振の有無や左右差によって、めまいの原因がどこにあるかを推察することができます。

3)ETT(追跡眼球運動検査)

ゆっくり動いている視標を見るときの眼球の動き(追跡機能)を調べます。小脳などの中枢神経機能を知ることができます。

4)OKN(視運動性眼振検査)

急速に動いている視標を見るときの眼振反応を調べます。めまいの病巣(末梢性・中枢性)により、それぞれ特徴ある反応が現れます。

5)温度刺激検査(カロリック)

この検査は医師が行います。外耳道に水を入れて温度変化を起こし、めまいを誘発する検査です。めまいの出現、眼振方向の優位性、めまいの抑制機能の有無などをみて、めまい疾患の患側決定を行います。

7.眼科検査

人が得ることのできる情報の80%は「目」からといわれています。
視能訓練士は視機能検査などを通じ、皆様の目の健康管理のお手伝いをしています。

1)眼科検査一般

「何か見えにくい」というだけでは、眼のどのような機能に原因があるかわかりません。歪んで見える、暗いところで見えにくい、物が二重に見える、視野が欠けているなどの様々な症状について、視能訓練士は医師の指示のもと各種眼科医療機器等を使って検査し、診断治療に役立てます。

屈折検査

遠視・近視・乱視等の屈折状態を測定します。
(小児の「弱視治療用眼鏡」の作製の際には、調節麻痺薬点眼後の屈折検査を行います。)

眼圧検査
目の硬さ(眼内の圧)を調べる検査です。
目の表面に軽く風をあてて、空気圧で眼圧を測定します。

視力検査
ランドルト環(C)を用いて視力を測定します。
(小児でこれがまだ難しい場合は、絵視標やDot cardを用いて視力を測定します。 また自覚的に難しい場合は縞視標を用い、反射的な目の動きで視力を測定する事もあります。)

眼鏡処方

遠用・近用・遠近両用眼鏡等、弱視治療用眼鏡

視野検査
  • 視野が欠けているところはないか、見えにくい部分はないか等検査します。
    (視野異常は、網膜から後頭葉視中枢に至るあらゆる部位の視路の障害で出現します。 障害部位に応じて特徴的な視野異常があらわれます。)


眼底三次元画像解析(OCT)

OCT検査とは網膜の断層画像を撮影する検査です。 網膜のむくみの程度や出血の範囲、深さなどを見ることができます。

眼球運動検査
  • 目の動きを調べる検査です。
    (眼球運動障害がおこる原因には、眼球運動を支配する神経の麻痺-筋系の異常、眼窩内の病変など複数あります。 眼球運動障害により両目の動きが左右異なってくると、物が2つに見えてきてしまいます。)

角膜内皮検査

角膜にある内皮細胞の数・形状・大きさ等について測定します。
主に、角膜の外傷時や、内眼手術の術前検査に用いています。

内皮細胞は、角膜の代謝・透明性の維持に重要な役割をしています

涙液分泌機能検査
  • 涙の分泌の量を測定します。

両眼視機能検査

右目と左目で見たものを脳で1つにまとめて見る事を両眼視といいます。この働きによって、奥行きや立体感が生まれます。両眼視機能は、生後3ヶ月頃から発達し始め6歳頃に完成すると言われていますが、斜視などがあると、この発達に影響がでてくることがあります。

電気生理検査(網膜電位図ERG)
  • 眼に光刺激を与えた時に網膜で生ずる反応を記録します。主に、網膜の光受容体の機能を検査します。(検査目的として、夜盲性疾患の鑑別、網膜の循環障害の診断などがあります。また、白内障や硝子体出血などにより眼底が透見困難な場合に、他覚的な網膜機能の評価として用いることもあります。)

点眼麻酔下で、コンタクト型電極を角膜上に装着し、電位変化を導出します

2)小児の弱視、斜視
  • 弱視とは、視力が十分発達していない状態の事で、めがねやコンタクトをしても視力が弱い目をいいます。
    斜視とは、両目の視線の向きが異なる状態をいいます。
    視力の発達は2歳頃までが急速でその後はゆるやかになり8歳頃で終わります。この発達の期間に、強い屈折異常 (遠視、近視、乱視)や斜視などがあると、鮮明な像が得られないため、視力の発達の停止や遅延に繋がります。 弱視になっている目の視力をあげるためには、8歳以前の早期に治療を開始する事が重要になってきます。

    視力の良い目を遮蔽し、弱視の目を使うことで治療をしていきます。
    当院では、視力をあげるための家庭訓練(健眼遮閉等)の指導を行い、視能訓練士はこれに必要な弱視治用眼鏡の作製や、検査を行います。

3)ロービジョンケア〈眼疾患により低視覚となってしまった方への支援

当院では、残された視覚を最大限に活用してQOLの向上を目指すロービジョンケアに取り組んでいます。

(拡大読書器、ルーペ、遮光眼鏡等 設置しています)

以上のように、生理検査は大変種類が多く、様々な診療科から検査依頼があります。医療センターの高度医療を支えられるよう、スタッフ一同、技術の向上に努め、日々研鑽しながら患者さんをお待ちしています。